Fabfilter Pro-C2は高性能なコンプレッサープラグイン。
数あるコンプレッサーの中でもこれは必ず持っておきたいものの一つではないでしょうか。
私も最初はWavesのコンプレッサーを使っていましたが、後にPro-C2も使うようになりました。
私の場合、各トラックに挿して使うというよりは要所要所で必要に応じて使っています。そうしないと重くなってしまうので。
いろいろ使い分けも必要ですよね。
ということで、今回はPro-C2の使い方を解説していきます。
Pro-C2の使い方
基本的な使い方
赤枠はRedo、Undo、そしてA、B二つのセッティングを切り替えるボタン。Copyボタンを押すと現在表示している方(例:A)の設定をもう一方(例:B)にコピーできます。
緑枠はプリセット一覧でSave asからPro-C2の全セッティングをプリセットとして保存することも可能。
緑枠内の左右にある三角マークを押すとプリセットを順番に試すこともできます。
赤枠をクリックすると、Pro-C2の各パラメーターとMIDIコントローラーを関連付けるモードに入ります。
Enable MIDI | MIDIコントロールのON・OFF |
---|---|
Clear | MIDIマッピングの個別・全削除 |
Revert | 最後に保存されたMIDIマッピングの状態に戻す |
Save | 現在のMIDI設定を保存 |
緑枠からはOversamplingをOFF、2倍、4倍から選択できます。
Oversamplingとは本来のサンプリング周波数を高い周波数(2倍、4倍)に変換して処理することによりノイズを低減させるもの。その分、CPUへの負荷も大きくなります。
水色枠ではLookaheadのON、OFFを選択可能。
LookaheadとはPro-C2へのInput信号を少しだけ先読みし、急激な音量変化があっても信号をコントロールできるようにするためのもの。
ただこれはレイテンシー増大に繋がるので適切な値の設定が大切です。
赤枠内の数字を上下にドラッグすることで、Input Gain、Output Gainを調整することができます。また赤枠をクリックすると上部にノブが出てきます。
緑枠内のノブは左がInput、右がOutputに関するもの。内側のノブでLevel、外側のノブでPanを調整可能。
水色枠内の左側にはPro-C2のバイパスボタン、その右にあるスライダーではDry/Wetの比率を調整できます。
赤枠からはあらかじめ用意されているスタイルから好みのものを選択できます。
緑枠内には左からInput Levelメーター、Gainリダクション、Output Levelメーター。
Input LevelメーターとOutput LevelメーターにはPeak Level、Loudness Levelも表示されます。
水色枠ではThresholdレベルを設定。このレベルを超えた部分に対してコンプがかかるようになります。
Thresholdノブの左上にあるヘッドホンボタン、これをクリックすると実際に圧縮されている音を聴くことができます。
オレンジ枠ではRatio(圧縮比率)を設定。
ピンク枠ではKneeを設定します。KneeとはThresholdレベル周辺でのコンプレッサーのかかり方を決めるもの。
Kneeスライダーを動かしHard KneeからSoft Kneeにしていくほど、Thresholdレベル周辺で緩やかにコンプレッサーがかかかるようになります。
黄色枠のRangeスライダーではGainが変更(圧縮)される最大値を設定できます。一番左の0にすると圧縮されないということ。
Ratioが一定でもRangeを小さくすれば、圧縮量も小さくなるということです。
赤枠は左からAttackとRelease。Attackでコンプレッサーがかかり始めるまでの時間、Releaseでコンプレッサーが切れるまでの時間を調整します。
Releaseノブの下にあるAuto Releaseボタンをクリックすると、Gainリダクションの量を元に計算されたRelease Timeが自動的に設定されます。
緑枠のLookaheadスライダーでは、Input信号をどれくらい先読みするのかを設定できます。この場合、Lookaheadを先にONにしておきましょう。
水色枠のHoldではGainリダクションのピーク値を維持する時間を設定できます。
オレンジ枠のノブは内側がWet Gainを調整するもので、他のコンプレッサーではMake Upと表示されていることもあります。
外側のノブはMidとSideのPanを調整するもの。
ピンク枠のノブは内側でDry Gainを調整、外側のノブでPanを調整。
黄色枠のAuto Gainをクリックすると設定内容に応じてMake Up Gainを自動で設定してくれます。
赤枠部分をクリックするとレベルメーターのスケールを変更することができます。
緑枠部分をそれぞれクリックするとKneeを隠したり、表示を切り替えることが可能。
Pro-C2のSide Chainについて
Side Chainの使い方
赤枠をクリックすると下にSide Chainのための画面が開きます。
緑枠のIn、ExtでSide Chainのトリガー信号を内部、外部のどちらから入力するか選択。
水色枠のAuditionボタンをクリックするとトリガーに使用される信号を聴くことができます。
オレンジ枠のスライダーを動かして、Side Chainでどれくらい圧縮するかを設定。
ピンク枠のステレオリンクスライダーはステレオリンクを調整するもの。一番左でステレオリンク0%(L、Rが完全に独立)、中央でステレオリンク100%(L、RのGainリダクションが同じ)です。
黄色枠をクリックすると、ステレオリンクスライダーを中央から右に動かした時のモードを選択できます。
ステレオリンクスライダーを中央から右へ動かすほど、選択したモードの効果が大きくなっていきます。
MID | トリガー信号のMidで対象となる信号のMidを圧縮 |
---|---|
SIDE | トリガー信号のSideで対象となる信号のSideを圧縮 |
M>S | トリガー信号のMidで対象となる信号のSideを圧縮 |
S>M | トリガー信号のSideで対象となる信号のMidを圧縮 |
EQの使い方
Side Chainで使用するトリガーとなる信号をフィルタリングするためのEQ。
赤枠のMidはデフォルトでAutoモードになっていて、この場合、自動的に周波数、Gain、Qが設定されたBell曲線になります。
そしてその両サイドはハイパスフィルター(HPF)、ローパスフィルター(LPF)で固定されていて、Cut Off周波数、スロープ角度のみ変更可。
Autoモードを解除して赤枠をクリックすると周波数、Gain、Q、曲線を自由に選べるようになります。
- Pro-C2は高品質なコンプレッサープラグイン
- 細かな設定が可能でかゆい所に手が届く
- Side Chainにおいても細かな設定が可能
- 各トラックに挿すより、ここぞという所での使用をオススメ