SynthMasterの使い方シリーズ、4記事目です。
この記事ではSynthMasterのOscillator設定、Modulator設定について解説していきます。
SynthMasterの使い方④
Oscillator設定
赤枠からは2つあるOscタブの切り替え。
緑枠からは4つあるModulatorの設定画面を切り替えられます。
緑枠のFreeをOnにするとランダムな位相でOsc波形を開始できます。
また、Sync(Osc2にのみ表示)をOnにすると、Osc1と同期します。
水色枠からは設定のコピペ、PresetのLoadなどを行え、各Osc、各Modulatorごとに設定のSaveも可能。
各Osc Typeについて
Basic | Sine、Sawなど基本的な波形を使用できるタイプ |
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Additive | 8つのBasic Oscが同時に作動するタイプ |
Vector | 4つのBasic Oscが同時に作動するタイプ。各OscのMix比率をIndex等で指定 |
Wavetable | Tabele上に配置された様々な波形をなぞらえるように補間しながら作動するタイプ |
AudioIn | Audio InputからEnvelopeを抽出して使用するタイプ |
Basic Oscillator
赤矢印部分の波形表示エリアをクリックすると、波形選択をすることができます。
赤枠部分からは波形表示、スペクトラム表示を切り替え可能。
緑枠からはkeytrackingのための基準となるBase NoteやOscピッチをNoteの周波数にどの程度、追従させるのかというAmountを設定。
Amountは-1〜 +1の範囲で設定でき、+1でNoteの周波数に完全追従。
水色枠ではSpeedノブでピッチの揺れを発生させるLFOの周波数を設定。これを大きくするほど揺れが速くなります。
AmountでLFOの深さ(音量の大小)を設定。これを大きくするほど揺れの変化が顕著になります。
緑枠と水色枠は連動していて、どちらで設定しても同じものになります。
黄色枠では合成アルゴリズムを選択。
ピンク枠からはオレンジ枠部分のノブの種類をOscかVoicesで切り替え。
オレンジ枠では、左から順にOscのVolumeとPan。
Routing設定画面にあるVoice Panの値はここに付加され、最終的なOsc Panを設定します。
Coarse TuneでOscのピッチを半音単位、Fine Tuneでセント単位で変更。
そして右端の2つのノブは、選択したアルゴリズムによって割り当てられるパラメーターが異なります。
赤枠ではSpreadに関するパラメーターを変更するノブが並びます。
実際に聴きながらイジイジですね。
Detune Curveは赤矢印のようにドラッグして調整。
Additive Oscillator
先ほどと同様、赤枠と緑枠はそれぞれRouting設定画面のものと連動していて、選択したものが反映されます。
水色枠には8つのOscに対応するノブなどが並んでいます。
縦一列で1つのOscというイメージ。
黄色枠内にあるボタンをクリックすると、周波数、波形、アルゴリズムをドロップダウンリストから選択可能。
ピンク枠にはOsc全体に対するPitch、Volumeなどを調整するノブが並びます。
ここにあるDriftノブでは音量の揺れを調整。
オレンジ枠をクリックすると、ノブをDetune、Phase、Toneの中から切り替えることができます。
Wavetable Oscillator
緑枠内には波形を設定するスロットが合計8つ。
水色枠をクリックして波形を追加してみます。
ここでは試しにSquareを選択。
ここで赤枠を右クリックしてみます。
赤枠から波形の新たな読み込み(Load waveform)、削除(Remove waveform)が行えます。
Insert waveformは一つ前のスロットに別の波形を追加するというもの。
緑枠からは波形表示部の表示内容切り替え。
赤枠からVoicesを選択したら、Spreadに関するノブが表示されます。
Basic Oscillatorの時と同様ですね。
Vector Oscillator
赤枠部分はRouting設定画面とそれぞれ連動、しつこいぐらい同じことを書いてます。
緑枠には4つのOscが配置されていますね。
水色の円で囲まれた青い点をドラッグして移動することにより、各OscのMix比率を変えることができます。
ちなみにこの青い点と水色枠のX index、Y indexは連動しています。
X indexで横方向、Y indexで縦方向の位置を決めます、数学のグラフと同じ。
黄色枠にあるのは、Osc全体に対するPitch、Volumeなどを設定するノブ。
ピンク枠では1D(一方向)、2D(二方向)を選択。
この画像では2Dを選択しているので、各OscのX成分、Y成分を利用可能ということになります。
Osc1のXとY、Osc2のXとY共に使用可能ってことです。
1DにするとOsc1、Osc2はXのみ、Osc3、Osc4ではYのみしか有効になりません
緑枠には現在選択してる波形(あるいはスペクトラム)が表示され、クリックするとその表示内容やOsc波形を変更可能。
試しにクリックしてみます。
赤枠から波形とスペクトラムのどちらを表示するのか選択。
AudioIn Oscillator
これはSide ChainなどのSynthMasterへのAudio Inputを使用するもので、まず赤枠にあるEnvelope FollowerのPre-FilterにAudio Inputが入ります。
ちなみにEnvelope Followerとは、入力された波形の振幅(音量)変化のカーブを取り出す機能のこと。
ここでAudio Inputのいろんな帯域のEnvelopeを抽出します。
そして、緑枠ではEnvelope FollowerからのEnvelope OutputによってトリガーされるMIDIノートの設定を行います。
Thresholdで設定した値を越えるとMIDIノートをOnにするメッセージが生成。
逆に下回るとOffのメッセージが生成され、SynthMasterはMIDI入力のないFXとしての役割を果たします。
水色枠をクリックしてFilterタイプを、黄色枠からはトリガーされるノートを選びます。
Modulator設定
Modulator設定に関しては基本的にOscとほぼ同じですが、ただ赤枠のOffsetというパラメーターはModulator特有のもの。
これは波形が中心軸からどれくらいズレているかを表すものです。
試しにノブを回してみます。
SynthMasterの使い方③【KV331 Audio】でもOffsetについて触れていますが、このOffsetは波形の振幅方向に一定の値を付加するもので、Amplitude Modulationに使用されます。
今回はこんな感じ。
次回はFilterについて解説していきますー。