SynthMasterの使い方シリーズ、5記事目です。
この記事ではSynthMasterのFilter、Modulation Sourceについて解説していきます。
SynthMasterの使い方⑤
Filter設定
緑枠からはアルゴリズムを選択します。
アルゴリズムによって使用できるFilterの種類も変わってきます。
水色枠にはCutoffなど基本的なパラメーター。
KeyTrackノブは0%〜100%の範囲で設定可能。
これを100%にするとCutoff周波数がMIDIノート(鍵盤)に完全に連動して変化、0%だと常に一定のCutoff周波数になります。
KeyTrackノブは通常100%で使用します
そして黄色枠にあるPreGain、DriveではFilter入力を増幅させて歪みを発生させます。
赤枠でどこにDistortionを置くのか、ルーティングを設定。
緑枠部分には現在選択しているアルゴリズムで使用できるFilter Typeが表示され、クリックして切り替えできます。
水色枠からはフィルターの非線形性(Nonlinearities)をBasic、Normal、Highから選択。
これはCutoff周波数あたりでの位相のズレに関するもの。
Highにすればズレを小さくできますがCPU負荷も大きくなるります。
たいていの場合、Basicでいいはず。
黄色枠のAcidを有効にすると、Cutoff周波数とレゾナンスの動きが連動するようになります。
Cutoff周波数が大きくなればレゾナンスも大きくなるという感じで。
ピンク枠ではFilter Curveを編集します。
Filterの種類
LP(Low Pass)
これは指定したCutoff周波数より高い部分を処理するもの。
Low Passなので、その言葉の通りCutoff周波数よりLowはPassしHighは処理するってことですね。
緑枠から緑矢印部分のSlope角度を2種類(24dBの方が急)から選択。
水色枠のBoostを有効にすると、レゾナンスの増加によるGain低下が補正されます。
HP(High Pass)
これはLow Passとは逆で、設定したCutoff周波数より低い部分を処理します。
その他はLow Passと同じ。
BP(Band Pass)
これは設定したCutoff周波数のLow側とHigh側を処理。
Cutoff周波数周辺はPassします。
BS(Band Stop)
これは設定したCutoff周波数周辺だけ処理するというもの。
Band Passの逆パターンのようなイメージです。
LS(Low Shelf)
これはCutoff周波数よりLow側をまとめて持ち上げたり、下げたりという処理をします。
Shelfは棚という意味なので、Lowを棚のように持ち上げるイメージでしょうか。
HS(High Shelf)
これはCutoff周波数よりHigh側をまとめて持ち上げたり、下げたりという処理をするもの。
PK(Peaking)
これはBand Passと似ていますよね。
実際に両者を比較してみたら違いが分かりますが、どちらを使用するかは好みだと思います。
仕組みとしてはBand Pass処理された信号を入力信号に付加するっていうもの。
Multi
これは緑枠のModeノブを回すことによってFilter形状がLow PassからHigh Passへと徐々に変わっていくタイプのもの。
Dual
これは前述のMulitを2つ組み合わせて使用するもので、緑枠にある2つのModeノブをいじることでFilter形状がMultiよりもさらに複雑に変化していきます。
それぞれのCutoffをいじることで、さらに細かい設定も可能。
水色枠では2つのFilterのMix比率を変更。
黄色枠からは2つのFilterの並列、直列の程度をコントロールします。
Comb
Combはクシ(髪をとくクシ)という意味で、緑枠のFeedbackでクシの形を変更。
水色枠からはFeedback回路のLow Pass FilterにおけるCutoff周波数を変更できます。
いじって調整してみてくんろ。
Modulation Sourceの設定
赤枠部分に各Modulation Sourceが表示されています。
この中から好みのModulation Sourceを割り当てたいノブにドラッグ&ドロップすることで簡単に割り当てができるというもの。
ちなみにグレー表示されているもの(この画像ではADSR1)の設定画面が表示されています。
赤矢印のように各Modulation Sourceをクリックして、どの設定画面を表示するのか変更できます。
Modulation Sourceの種類
ADSR Envelope
緑枠内にはADSR設定おなじみのパラメーター。これをいじってEnvelope形状を変えていきます。
水色枠ではEnvelopeの適用量を決定。
黄色枠のBitsからはBit Depthを調整(Envelope波形を徐々に壊れた感じにして出力)、DriftではEnvelope出力をわずかにLFOでModulationできます。
赤枠を有効にするとEnvelope波形が丸みを帯びたようなアナログっぽい感じに。
緑枠を有効にするとEnvelope波形が一度だけ実行されます。
Multistage Envelope
これは多段式のEnvelope。
緑枠のStagesから何段にするか選択、Loop StartとLoop EndでLoopの開始と終了のセグメント(グラフに表示されている四角い点)を設定。
さらにLoopsからLoop回数を選択。
水色枠からはEnvelopeの長さと量の設定ですね。
Voice LFO
これはGlobal LFOとは違い、各Voiceに対しても使用できるもの。
緑枠から基本波形を選択。
水色枠のSyncを有効にするとDAWのテンポに同期するようになります。
その隣の黄色枠では拍子を選択、ピンク枠では黄色枠で設定した拍子で何回波形を再生するのかを設定。
例えば、黄色枠で1/4、ピンク枠で1を選択すれば、1/4小節で1回波形が再生されるみたいな。
Syncを有効にしていないとこの機能は使えないので必ずOnにしましょう
オレンジ枠のFreeを有効にすると、波形開始の位相がランダムなものとなります。
Osc(LFOも含む)はほとんどの場合、振幅変化を+1〜 -1の範囲内(Bipolar)の値を生成することによって表現します。
これとは別にUnipolarというものがあり、これは+1〜0の範囲内。
このVoice LFOはデフォルトではUnipolarとなっていますが、赤枠をクリックして有効にするとBipolarへと切り替えることが可能。
聴きながらこれらを切り替えて音の変化を確認してみてください。
緑枠では振動の速さをSpeedノブ、振幅をVolumeノブ、位相調整をPhaseノブで行い、NoiseノブではNoise音量を調整。
水色枠ではDelay TimeやRelease Timeなどの設定。
緑枠のStepsで全Step数(この画像では8つ)、Loopで何番目のStepから開始するのかを選択。
ちなみに終了Stepを指定することはできず、あくまでも開始Step(この画像では緑矢印の3番目)から最後のStep(この画像では8番目)までが再生されます。
水色矢印のように丸をドラッグすることでStepの傾斜を変更することができ、また、黄色矢印のようにStepの高さを変更するにはマウスホイールを使用します。
このGlide LFOとStep Lfoとの違いは赤丸のように、あるStepの終了値が次のStepの開始値となる点。
5番目のStepの終了値がそのまま6番目のStepの開始値となっていますね。
これは緑枠にある上の波形に下の波形を合成したものを使用するというもの。
水色枠に合成された波形が表示されます。
波形の変更は黄色枠内の矢印をクリックするか、黄色矢印のように波形表示部分をクリックして表示されるドロップダウンリストから可能。
緑枠のXfadeノブを回していくと、徐々に波形が合成され水色枠内の波形が変化していくのが分かります。
黄色枠はSample&Holdノブ。
Sample&Holdとは、Hold信号が入力された時に波形の値を保持し、次のHold信号が入力されるまでその値を保持するというもの。
このノブを回してトリッキーな効果を得ることができます。
Global LFO
これは通常のLFOで、緑枠からRetriggerを有効にできます。
Keyscaler
これはMIDIノートナンバーに基づいてパラメーターを変更するもの。
赤矢印のようにクリックするとグラフを変更できます。
このポイントは最大で16個まで作成でき、右クリックで削除可能。
2D Envelope
この2D EnvelopeはMultistage Envelopeと似ていますが、XとYの出力があるのが特徴。
今回は赤枠のように2D1Xを選択。
赤枠からStage数、Loop回数、Loop開始と終了のセグメントを設定。
緑枠にはEnvelopeの状態がグラフ表示されます。
水色枠では各Stageの時間的長さを水色矢印のようにドラッグして調整します。
また次回に続きます。