SynthMasterの使い方シリーズ、7記事目。
完結編です。
この記事ではSynthMasterのArpeggiatorについて解説していきます。
SynthMasterの使い方⑦
Arpeggiator設定
するとこんな感じの画面になります。
緑枠ではVolume、Duration、Swing(各ステップの長さに変化をつける)を設定します。
実際の音の長さは、Duration × BaseTime × Step Length(各ステップの長さ)で決まります
ちなみにStep VolumeとStep Lengthはグラフ画面から直接、上下左右にドラッグして決定します。
次に水色枠、ここでは動作Modeを選択。
黄色枠からは音の移動範囲をオクターブ数(最大4オクターブ)で選択、さらに何ステップ(最大32ステップ)で構成するのかも設定します。
ピンク枠では、先に述べたようにBaseTimeを設定。
ここで選択したものはDAWのテンポに同期します。
オレンジ枠ではMIDIノートのOn、OffメッセージのVelocityを選択。
以下の4つからどれを選択するかによって、Velocityの生成方法が変わります。
Step | Volume × Step Volumeで算出 |
---|---|
Note | 入力されたVelocityをそのまま使用 |
Step+Note | 入力されたVelocity + Volume × Step Volumeで算出 |
Step×Note | 入力されたVelocity × Volume × Step Volumeで算出 |

基本Modeについて
ここでは赤枠で示した基本的なModeについて説明していきます。
Up
これは2オクターブの範囲内で赤矢印のように下から上へ順番(C2→D#2→G2)にノートを演奏するMode。
2オクターブに達したり8ステップ演奏し終えたら、また最初(C2)に戻って演奏を繰り返します。
Down
Up+Down
このModeではまずUpと同じ動作をしていき、2オクターブに達すると、今度はDownの動作へ移行。
8ステップ演奏し終えたら、また最初(C2)に戻ります。
Up+Down2
このModeはUp+Downとほぼ同じですが、最初と最後のノートが2回繰り返されるという点だけが異なります。
Down+Up
Down+Up2
Chord
画像のようにコード(ここではCm)を一つの単位としてステップを演奏し、演奏を終えると、ステップは最初の位置に戻り、次は1オクターブ上のものが演奏されます。
As Played
よって赤枠部分をクリックしてノートを記録するっていう感じではありません。
緑枠で選択したオクターブごとに、ノートが入力された順に再生。
例えば、Cm(C,D#,G)だと転回などしていなければ音程は低い方からC→D#→Gですが、C→G→D#と入力すれば、その順で再生されるってことです。
As Playedっていう意味そのまんま。

Arpeggiate Modeについて
これは自由にアルペジオを設定できるMode。
コードはCm(C,D#,G)、Rangeは2オクターブとして解説します。
赤枠には、コード構成音のどれを使用するのかが示されています。
緑枠の矢印をクリックして赤枠部分の表示を上下スライドできます。
Rangeが2オクターブなので、画像のように赤丸が示すC2,D#2,G2、緑丸が示す1オクターブ上のC3,D#3,G3の合計6つのノートを使用することになります(それ以外のノートは使用しません)。
1st | 一番目のノートを使用 |
---|---|
2nd | 二番目のノートを使用 |
3rd | 三番目のノートを使用 |
last | 指定したRangeで一番最後のノートを使用 |
-1 | 直前のステップのノートの1つ下のノートを使用(直前がG3ならD#3) |
-2 | 直前のステップのノートの2つ下のノートを使用(直前がG3ならC3) |
0 | 直前のステップと同じノートを使用 |
Rnd | ランダムにノートを選択して使用 |
赤枠のSlideをOnにしているステップは、次のステップにかけて音程が滑らかに変化。
またHoldをOnにしているステップでは、Durationノブの値に関係なく、Durationが最大値に設定されます。

Sequence Modeについて
赤枠のピアノロールは±2オクターブまで表示可能。
緑枠のカーソルをクリックして、ピアノロールやステップ表示をスクロールできます。
水色枠のように1ステップあたり最大で4つまでノートを記録できます。
ノートの記録、削除はマス目をクリックするだけ。
ステップを右クリックして表示されるドロップダウンメニューの赤枠部分から、ステップの挿入、削除を行えます。
また、赤枠をクリックしてRecにすれば、直接、ノートを入力することも可能。
この時、一番最初に入力されたノートがピアノロールの0に割り当てられ、基準となります。
さらにLayerの設定がPolyかMonoかによって、以下のような違いがあります。
Poly | 記録できるノートは1ステップあたり最大4つまで |
---|---|
Mono | 一度に記録できるノートは1ステップあたり1つだけ |
緑枠のように、今回はステップ数を8にしていますが、入力中にこのステップ数を超えても、最大で32ステップまで自動的にステップが追加されます。
録音が終われば、再度、赤枠をクリックしてRec解除。

Drum Kit Mode
赤枠に各キット名が表示されています。
緑枠で表示のスクロールですね。
ここで使用するドラムキットはSynthMasterのデータフォルダ内でテキストファイルとして定義されています。
ただ、この定義ファイルではサンプルを参照していないため、WAVなどのサンプルをSFZファイルとして読み込む必要があります。
というわけでSynthMasterの記事、完結です。






