こんにちは、クマ殿(@kuma_dono)です。
とうとう政府が就職氷河期世代を支援するということで動き出しました。
私も思いっきりこの世代で就職に苦労したのですが、まあ相変わらず期待のできない支援ですね。
この世代は親が団塊世代、あるいはその少し後の世代なので人数自体非常に多い。
また大学受験もまだ厳しかった世代だから学力的にもしっかりした人が多い。
もちろん就活の際に親が面接に同伴するような気持ち悪い人たちでもない(笑)。
根性があるがゆえ、ブラック企業でも非正規でも我慢して働いて燃え尽きた人も多い世代。
本来、きちんとした雇用と待遇を用意すれば今頃は少子化も軽減し消費回復にもじゅうぶん貢献できた世代。
もったいないことをしたね、ほんと。
東京オリンピック後は日本没落の加速度が高まるでしょう、合掌。
ということで、この記事では就職氷河期世代をコケにしてきたツケがまわってきたよということを書いていきます。
就職氷河期世代を今さら支援?バカにしすぎ
就職氷河期世代はざっくり言うと30代後半〜40代後半(2019年現在)の世代で、企業・公務員の採用数が極端に少なく就職に尋常じゃない苦労をした世代。
そもそもこの世代に限って能力が低いわけでもなく、新卒一括採用の日本でスタートすらまともにきることができなかった。
だから当然、仕事で経験を積むこともできず、非正規やブラック企業でしか就労できないような人も多い。
そもそもまともな経験を積めてない人が多いので、転職も難しい状況。
収入も低く不安定、当然、結婚したり子供を持つことなんてできないという人も多数。
ほんと最悪な世代だと思いますよ。
そして企業側は今になって管理職が足りないだとか人手が足りないだとか。
頭悪すぎじゃないかい?
人は毎年、1才ずつ歳をとっていくんだから足し算ができれば20年後の社内の年齢構成なんてだいたい予想がつくだろうに。
同時にその時にどういう問題が発生するかも容易に想像できたはず。
ほんと、どいつもこいつも目先のことしか見てない想像力のカケラもないような奴ばかり。
今年(2019年)に入って実質的な移民受け入れが開始されたが、まだ目標の数%しか達成されていないような状態。
だから就職氷河期世代の活用に目をつけたのね。
宝塚市も先陣を切って就職氷河期世代に限定した採用を開始したが、倍率は500倍を超えるカオス状態。
就職氷河期の頃も公務員試験の倍率は数百倍はあったから、この世代はいつまでたっても氷河期のままということ。
ただ、宝塚市が行動に移したことは良い評価をしてもいいと思う。
これを見習って各自治体も就職氷河期世代を対象とした採用を始めるんだとか。相変わらずの右にならえ民族、日本人。
もっと早くやればできたのにやらずにきたからこうなったのにねー。
なんで日本人は追い込まれないと、外圧がないと変われないのかね。
まあ日本人は自分のことしか考えていない人が非常に多い証拠だと思うよ。
就職氷河期世代支援の的外れ感
対象数が少ない
そもそもこの世代のボリュームは1700万人。政府は、そのうちのたった30万人を3年間で正規雇用することを目標としている。
あのなぁ、数が少なすぎなんじゃ。
数百万人単位で年収400万円以上かつ年間休日110日以上ぐらいの条件で採用していかないと意味ないよ。退職金までは求めないからさ。
まあ、この条件だと1万人すら救済はできないだろうけど。
民間頼み
ハローワークに就職氷河期世代の専用窓口を作ったりして仕事を斡旋していくみたいで、すでに運輸、介護などの分野に80人程度(日々、増加中だろうけど)が採用されたみたい。
いやいや、その分野は別に専用窓口いらないでしょ。
そうじゃないんだよ。
そもそもハローワークの求人自体、終わってるからさ。
手取り10万、賞与・退職金・各種手当なし、年間休日87日みたいな求人ばかり。
おまけに求人票には虚偽の記載も少なくないし。
普通にハローワークなんて利用しないでしょ。
まともに転職を考えている人はまずハローワークは利用しない。
じゃあ転職サイトはどうかというと、派遣のオンパレード(笑)。
そもそも人材はどこかの企業がコストをかけて育てているから存在するわけであって、「金はかけたくない、だけど優秀な人材には来て欲しい」じゃ、いつまで経っても解決しませんがな。
そもそも悪待遇・ブラックな会社が、なぜ自分の所に優秀な人間が面接に来ると思えるのかが摩訶不思議。
予算が少ない
政府は650億円の予算を組むようだけど、これってどう見ても足りないでしょ。
単純に650億÷1700万=3800円。
一人当たり3800円という、スシロー2回分程度の予算で対策を講じようとしているみたいですね(笑)。
正直、クジ引きで1000万円を6500人に配った方がよほど有効だと思うよ。
その方が確実に6500人は救われるからね。
就職氷河期世代支援が手遅れな理由
もう悪待遇で働くつもりはない
そもそも日本の労働環境は、理不尽、人権侵害、低賃金奴隷扱いが当たり前。
就職氷河期世代は、高学歴でも零細企業、ブラック企業なんかで使い潰されている人が特に多い。
強烈な人間不信、社会不信に陥っているような人も多い中、今さら「人手が足りないよ〜、採用するから働いてね」って虫のいいことを言われても「バカなの?」としか思わないよね。
人手が足りないなら潰れればいい。
そもそも、労働者の権利を侵害したり、労働者を奴隷扱いしないと成り立たないような会社は潰れるべきなんだよ。
労働者に甘えないと成り立たないような経営をしている経営者が悪いのよ。
奴隷労働をするより、引きこもる方が正解だと思う。
すでに面接すら受ける気力もない
ブラック企業や非正規労働などを転々とし、面接のたびに不快な思いをした人が無数にいるこの世代。
面接官は当然、氷河期世代の人間ではなくバブル世代、あるいはそれ以上。
志望動機や転職理由など、誰もが嘘をつき確認のしようもない、くだらない質問。
それに続いて、バカにしたような発言や重箱の隅をつつくような質問。
ねえ、あなた、そんな質問して何の意味があるのよ?
そんな面接官ばかり。
転職・就職活動していると分かると思うけど、どこの会社に面接に行っても質問内容は似たり寄ったり。
それって面接官自身が、優秀な人間を見分ける方法が分かってないことの裏返しだと思う。
だから他社と同じような質問をなんとなく真似して、面接をしているような気になっているだけ。
彼らが自分なりに頭を使って人を見分けようとしていたら、似たり寄ったりの質問になるはずがない。
いつまで経ってもこんな感じだから、就職氷河期世代が他の世代に理解されるわけないよね。
まあ、面接なんかで人を見分けられるわけもないんだけどね。
人を見分けられたような気になってるだけよ。
そもそも面接をして就職氷河期世代から選抜して採用しようという考えが間違い。
選りすぐらず全員採用するぐらいじゃないと、この問題は解決できないでしょ。
政府は就職氷河期世代を国家公務員として採用する方針を固めたみたいで、統一試験を実施するとのこと。
まだ競わせる気ですか・・・
社会に対する不信感・怒り・恨み
社会から散々、自己責任などと言われ、団塊世代の親には理解されず、不信感や怒り、恨みが渦巻いている氷河期世代がいかに多いことか。
当然だけどね。
忘れられている視点かもしれないけど、そもそも「人手が足りないから働いて欲しい」と言う前にやることがあるんじゃない?
今まで氷河期世代にしてきた仕打ちに対して、謝罪と補償をするのが第一だと思うけど。
それらをきちんと行った上で「採用するから働いてください」って言うならまだ分かる。
どれだけ理不尽に金銭的、時間的な損失を被ったと思ってんのかね?
結婚したかった人、子供を欲しかった人たくさんいたはずだけどさ。
それが叶わなかった人がたくさんいるのよ。
そんな目に合わされた人が今さら日本のため社会のために働こうなんて思うか?
精神的な問題
結局のところ、精神的な問題を抱えている人がかなり多いってとこに行き着くと思う。
うつ病、適応障害、パニック障害、PTSD・・・
当時、他に就職先が無くて、悪辣な職場環境の犠牲になった人が多すぎる。
おかげで何年も働けず、あるいは精神科通いの人もすごく多い。
経験者なら分かると思うけど、精神疾患から回復するのってものすごく時間も労力もかかる。
精神疾患を経験したがゆえ、回復後は価値観が変化し日本企業に適応できなくなる人も多い。
そんな人たちが多い世代なのに、再び日本企業で真面目に働く気になると思うのかってことよ。
日本人の特性と無知・無思考による偏見
就職氷河期世代の人たちは、必死に就職・転職活動をしてきた人ばかり。
だけどね、企業に応募するでしょ。
年齢、ブランク期間なんかの状況によっては、変な目で見られるんですよ。
「年齢:35歳以下、長期キャリア形成のため」ってね。
このような文言が、年齢差別正当化のために堂々と使われている。
そもそもキャリア形成なんてまともに考えているのはごく一部の企業だけ。
大半の企業はそんなことを考えたことすらないのに、何を勘違いしているんだか。
あるいは学校卒業後に就職せず、無職、フリーター、その他のことをやっていると、すぐに偏見の眼差しが飛んでくる。
「この期間は何してたの?」ってね。
あのな、長い人生の中で無職だったり、世界を旅している時期があったり、フリーターしてたりする時期があって何が悪いのよ?
学校卒業後にすぐ就職するのもいいと思うよ、だけどそうじゃなくてもいいじゃない?
少しは頭を使って、いい加減、しょうもない偏見、固定概念、決めつけに多少は疑問を持つようになれよ、日本人。
人手を確保できなくなって、最近は年齢制限を緩和する動きもあるけどさ。
いやいや、あなたたち今まで屁理屈こねて年齢差別してきたよね。
そんなに簡単に方針転換するんだったら、初めから年齢差別しなきゃいいじゃない。
短期的な視点でしか物事を見れず、誰かがやらないと行動しない横並び思考、問題に気づいていても追い込まれるまで行動しない無責任さ、自分さえよければいいという冷たさ。
このようなみっともない日本人の特性が、日本衰退への原動力。
国民一人一人の意識を根本から変えるのって、本当に難しいと思う。
今後もこの流れは変わらないだろうね。
- 就職氷河期支援は時間的に手遅れ、かつ支援内容が的外れ
- 就職支援以前に、謝罪と補償が先
- 就職支援以前に、社会に対する不信感や怒りに対するケアの方が先
- 日本人のみっともない特性が改善されない限り、この問題は解決されない
就職氷河期を経験した人にしかわからないことはたくさんあるけど、それよりも問題なのは、この世代が味わった感覚を少しも想像できない・想像しようともしない他の世代の人たち。
こんな国どうでもいい、人手不足?少子化?ざまあみろ。
これが就職氷河期世代の本音だよ。