FabFilter Pro-Rは機能、ビジュアル共に優れたReverbプラグイン。
細かな設定が可能でプリセットも豊富。
私もいくつかReverbプラグインを使い分けていますが困った時はPro-R頼み。
それぐらい守備範囲の広いプラグインです。
FabFilterはハズレがなく、どのプラグインも考え尽くされたものばかりですね。
ということで、この記事ではPro-Rの使い方を解説していきます。
Pro-Rの使い方
赤枠はRedo、Undo、そしてA、B二つのセッティングを切り替えるボタン。Copyボタンを押すと現在表示している方(例:A)の設定をもう一方(例:B)にコピーできます。
緑枠はプリセット一覧で、Save asからPro-Rの全セッティングをプリセットとして保存することも可能。
緑枠内の左右にある三角マークを押すとプリセットを順番に試すこともできます。
赤枠をクリックするとPro-Rの各パラメーターとMIDIコントローラーを関連付けるモードに入ります。
このあたりはFabFilterの各プラグイン共通ですね。
緑枠をクリックするとノブが出てきます。このノブはPredelayを設定するためのもの。Predelayとは音の反射のうち一番最初の反射が耳に届くまでの時間のこと。
Reverbは実際、いくつもの音の反射によって成り立っています。
水色枠はPredelay Syncボタン。これをクリックするといくつかのボタンが下に出てきます。
一番左の南京錠のようなボタンをクリックすると、ノブでPredelayをms(1000分の1秒)単位で設定することが可能。
その隣にある音符ボタンはそれぞれの音符単位(4分・8分・16分・32分音符)でPredelayを設定するためのものです。
これらの音符のいずれかを選択している場合、ノブでOffset量を調整できるようになるので、さらに細かい設定も可能。
例えば、Offset量を150%にすると付点音符、67%で3連符の効果を得ることができます。
赤枠をクリックするとスペクトラムアナライザーの表示内容を変更できます。
Off | スペクトラム表示をしない |
---|---|
Pre+Post | Pro-RへのInputと処理後の出力(白線)をスペクトラム表示 |
Reverb+Post | Reverbの減衰と処理後の出力(白線)をスペクトラム表示 |
赤枠をクリックするとノブが2つ出てきます。
緑枠内のこのノブは左がInput、右がOutputに関するもので、それぞれ内側がLevel、外側がPanを調整するためのもの。
水色枠はバイパスボタンで、Pro-Rをバイパスするためのものですね。
赤枠のSPACEノブ。ノブの周囲に黄色の小さな四角形がありますが、これは空間の大きさを表したもの。
このノブ一つで空間の大きさと減衰(Decay)の調整をできるようになっていて、黄色の四角形をクリックして一発設定することも可能です。
緑枠内のノブは左からBRIGHTNESS、CHARACTER、DISTANCEを調整するもの。
BRIGHTNESSでは高い周波数と低い周波数のバランスを調整して、Reverbの明瞭さを設定。
高い周波数帯は壁などで吸収されやすいので、BRIGHTNESSをあまり大きくしない方が自然なReverbになりやすいです。
CHARACTERでは設定量により様々な効果が得られますが、50%を超えたあたりから徐々にCHORUSっぽくなります。
よって、実際に聞き比べながら楽曲に合う設定量を見つけるのがいいですね。
そしてDISTANCEでは音源からの距離を設定。設定量を大きくするほど音源からの距離が大きくなり、Reverbに余韻が残るようになります。
赤枠のノブは左からDECAY RATE、STEREO WIDTH、MIXを調整するもの。
DECAY RATEではSPACEノブで設定されているDecay(上の画像では0.20s)をさらに細かく調整することができます。
STEREO WIDTHではReverb成分のステレオ幅を調整します。
0% | モノラル(Full) |
---|---|
50% | ステレオ(Full) |
100% | モノラル(Multi) |
120% | ステレオ(Extended) |
MIXではDry/Wetのバランスを調整します。Pro-Rをセンドエフェクトとして使用する場合は100%(Reverb成分のみ)に設定しましょう。
ちなみにMIXノブの下にある南京錠のようなボタンを有効にすると、MIXノブの設定量がロックされます。
その状態で新たにプリセットを読み込めば、MIXノブ以外の設定量だけ変化するので様々なプリセットを簡単に比較することができます。
赤枠をクリックするとEQのスケールを変更可能。
EQにはDecay Rate EQ(青いライン・文字)とPost EQ(黄色いライン・文字)があります。
これらのうち、どちらのEQを使用しているかによって強調表示される色(青色or黄色)が異なってきます。
Decay Rate EQとは各周波数帯で異なるDecayを設定し、様々なスタイルのReverbを作り出せるというもの。
赤矢印のように青いライン上をクリックして上にドラッグするだけでEQポイントを最大で6つまで設定できます。
赤枠のように複数のEQポイントを選択して、同時に調整することも可能。
緑枠のような小ウィンドウが各EQポイントにあり、そのポイントのバイパス(電源ボタン)、消去(×ボタン)、周波数、Decay、Qをそれぞれ設定できるようになっています。
水色枠をクリックするとカーブの種類も変更可能。
Post EQとは出力するReverbを最終的に整えるためのもの。この画像ではPost EQを使用中なので黄色が強調表示されていますね。
操作方法などは基本的にDecay Rate EQと同じで、これも最大で6つまでEQポイントを設定できます。
- Pro-Rは高機能かつ見やすいビジュアルのReverbプラグイン
- プリセットが豊富
- Decay Rate EQで周波数帯ごとのDecayを細かく設定可能
- 他のReverbプラグインと比較して、特に軽いわけではない
基本的なパラメーターをいじって単にReverbを再現するというだけでなく、Decay Rate EQ、Post EQによって、そこからさらに自分の表現を追求できるPro-R。
みなさんも試してみませんか?