トルコのKV331 AudioからリリースされているSynthMaster。
このシンセは怪物シンセとして有名で、私も初めて扱った時は苦労しました。当時はまだ知識も経験も浅かったですしね。
だから初めてSynthMasterに触れる人でも、できるだけ容易に理解してもらいたいと思って、この記事を書こうと決心。
ということで今回から数回に渡ってSynthMasterの使い方を解説していきます。
SynthMasterの使い方①
Presetについて
赤枠のBrowseボタンをクリックするとPresetの絞り込み画面になります。
緑枠に絞り込み結果が表示されるのでLoadしたいものをクリック。
Instrument Type、Attributes(属性)、Music Style、Author(製作者)から細かく絞り込みが可能。
水色枠からワードを入力して検索することもできます。
オレンジ枠部分にはLoadしたものが表示されますね。
ピンク枠からPreset Bankの種類をInstalled、Purchased、Show allから選択。
Installed | インストールされているPreset Bankを表示(通常はこれ) |
---|---|
Purchased | 購入した全てのPreset Bank(インストールされていないものも含む)を表示。インストールされていないものは、ここからインストール可能 |
Show All | KV331 AudioからReleaseされている全Preset Bankが表示され、デモを聴いたり、購入することが可能 |
黄色枠からはPreset Bankの場所をLocal、Onlineから選択可能。
Local | PC等にインストールされているPreset Bankを表示 |
---|---|
Online | Online上のPreset Bankを表示(後述します)。 |
赤枠内の矢印でPresetを順番に先送り、前戻し。そしてUndo、RedoとPreset保存のためのSaveボタン。
緑枠は上からQuality、Buffer、Polyfony。各ボタンをクリックすることで設定変更可能です。
Quality | サンプリング周波数を設定。Draft(Over Samplingなし)、Good(2倍)、Better(3倍)、Best(4倍)から選択 |
---|---|
Buffer | バッファサイズの設定。Short、Normal、Large、XLarge、XXLargeから選択 |
Polyphony | 同時発音数の設定。4Voices刻み(4Voices~64Voicesの範囲)で選択可能 |
黄色枠内の緑色のラインはVelocity Curve。
Velocityとは鍵盤を叩く強さを128段階で表現したもの。
通常、Velocityが大きくなれば、それに比例してVolumeも大きくなります(上の画像の右上がり直線の状態)。
しかし黄色矢印のようにドラックしてCurve形状を変えると、実際のVelocityの出力に対する反応を変えることができます。
弱いVelocityでも大きな音を出したり、またその逆も。
個人的には、このVelocity Curveを変更するのは曲の中で音が馴染まないような時ぐらいですね。
赤枠をクリックするとOnline上のPreset Bankが表示され、Localの時と同様に絞り込みが可能。
PresetをクリックするとLoadされます。
このLoadしたPresetをLocalに保存したい場合は、水色矢印のSaveボタンをクリックして、水色枠内から保存可能。
LocalでLoadしたPresetをOnlineにアップロードしたい場合は、Saveボタンをクリックして表示されるプルダウンメニューの赤枠部分からアップロード可能。
このプルダウンメニューからはPresetの名前変更、削除なども行えますね。
各PresetはMeta Data(そのPresetに関する情報)を持っていて、自由にそれを編集することが可能。
編集したいPresetをLoadした状態で、赤枠をクリックすると編集画面が表示されます。
緑枠内でAuthor、Company、Bank Name、Description(説明)を編集。
水色枠内ではInstrument Type、Attributes、Music Styleを複数設定可能です。
Settingの変更
緑枠内に設定項目が表示されていますね。各項目については以下の通り。
Global Skin | Skinを変更。ここで設定したSkinは他のトラックで使用しているSynthMaster全てに適用されます。Presetを選択すると現在設定中のSynthMasterのみ変更可能 |
---|---|
Preset Skin | Global SkinでPresetを選択した場合、こちらでSkinを設定 |
Global Scale | チューニングスケールを変更。Presetを選択すると現在設定中のSynthMasterのみ変更可能 |
Preset Scale | Global ScaleでPresetを選択した場合、ここでScaleを設定 |
Engine Quality | サンプリング周波数を変更。Realtime(バウンス中以外)、Offline(バウンス中)でそれぞれ設定可能 |
---|---|
Engine Buffer Size | バッファサイズをRealtime、Offlineでそれぞれ変更 |
Pitch Bend Range | ピッチベンドの範囲を0~48半音で選択 |
---|---|
MIDI CC Update | MIDI CC、アフタータッチ、ピッチベンドの信号を除去するスムージングフィルターの長さを10〜100msの間で調整 |
Parameter Update | パラメーターチェンジを除去するスムージングフィルターの長さを10〜100msの間で調整 |
Arp Lock to Beat | OnにすることによりSynthMasterのアルペジエーターとDAWとの間での頭合わせが可能(DAWから位置情報を受信する場合) |
Map CC74 to CC1 | OnにするとMPE対応デバイスによるCC74をCC1へ変換 |
Arp MIDI Output | OnにするとSynthMasterのアルペジエーターで作成したMIDIをDAWに出力できるようになる |
Check for updates | アップデートのチェック頻度を変更 |
MIDI Learnの設定
この機能はMIDIコントローラー等の物理的なノブで直接操作したい場合の機能。
SynthMasterで操作したいノブを右クリック後、赤枠内からどちらか選択。
その後、MIDIコントローラーの割り当てたいノブを触れると割り当てが完了し、すぐにノブを回して操作できるようになります。
割り当てを解除したい場合は、同様にノブを右クリック後、赤枠部分をクリック。
こんな感じで簡単に設定できます。
ということで今回はここまでで、残りは次回に続きます・・・